「HSK3級の受験を検討しているが、いつから始めたらいいのか」
「どういった学習内容ですすめていけばいいのか」
「どんなテキストを使ったらいいのか」
ここでは、HSK3級合格に向けての学習内容と、実際に使用したテキストなどを紹介します。
HSKについてはこちら
HSK3級の試験レベル
HSK3級の試験レベルは以下の通りです。
級 | 試験の程度 | 語彙量 |
---|---|---|
3級 | 生活・学習・仕事などの場面で基本的なコミュニティーをとることができ、中国旅行の際にも大部分のことに対応できる。 | 600語程度の基礎常用中国語単語及びそれに相応する文法知識 |
HSK3級合格に必要な学習時間
HSK3級合格に向けて必要な学習時間について、HSKの公式サイトによれば、
大学の第二外国語における第二年度前期履修程度の学習が目安
とされています。
大学の第二外国語は、1週間に2~3時間程度と設定されていることが多いようでが、便宜上3時間とします。HSK3級の学習時間の目安は、単純計算で3時間×78週=234時間となります。
この234時間をベースに、1日当たりの勉強時間によって、必要な学習日数を計算してみます。
1日当たりの平均学習時間 | 必要な学習日数 |
---|---|
1時間 | 234日 |
2時間 | 117日 |
4時間 | 59日 |
HSK3級の合格に必要な学習時間234時間に対して、毎日2時間学習することができれば、約4か月あればよいことになります。
毎日2時間学習することが難しいこともあります。なので、約4か月という期間はあくまでも参考値としておき、プラス1~2か月を含め、半年前後の学習期間を想定しておくといいでしょう。
もちろん、HSK2級にすでに合格していれば、もう少し短い日数でHSK3級に合格できるでしょう。
HSK3級の試験内容
HSK3級の試験内容は、「聞き取り問題」、「読解問題」、「作文問題」の3つに分かれます。
聞き取り問題
パート | 形式 | 問題内容 | 問題数 |
---|---|---|---|
第1部分 | 写真を選択する問題 | 短い会話が放送され、数枚の写真から内容が一致するものを選ぶ。 | 10問 |
第2部分 | 正誤判断の問題 | 短文が放送され、その内容と、問題用紙に与えられた短文の内容が一致するかを判断する。 | 10問 |
第3部分 | 会話の内容に関する問題 | 2人の短い会話とその内容に関する問いが放送される。問いの答えとして正しいものを3つの選択肢の中から選ぶ。 | 10問 |
第4部分 | 会話の内容に関する問題 | 2人のやや長い会話とその会話の内容に関する問いが放送される。問いの答えとして正しいものを3つの選択肢の中から選ぶ。 | 10問 |
読解問題
パート | 形式 | 問題内容 | 問題数 |
---|---|---|---|
第1部分 | 関係のある文を組み合わせる問題 | 与えられた短文に対し、関連(対応)する文を選択肢の中から選び、組み合わせる。 | 10問 |
第2部分 | 空所補充問題 | 文中の空所部分に、選択肢の中から適切な単語を1つ補い、意味の通る文を作る。 | 10問 |
第3部分 | 文の内容に関する問題 | 短文とその内容に関する問いが与えられており、問いの答えとして正しいものを3つの選択肢の中から選ぶ。 | 10問 |
作文問題
パート | 形式 | 問題内容 | 問題数 |
---|---|---|---|
第1部分 | 語句の並べ替え問題 | 与えられた複数の語句を並び替えて正しい中国語文を作る。 | 5問 |
第2部分 | 空所補充問題 | 文の意味を理解して、文中の空所に当てはまる漢字を書く。 | 5問 |
合格基準
聞き取り、読解、作文の配点はそれぞれ100点、合計300点で評価されます。6割(180点)以上のスコアが合格基準となっています。
HSK3級学習で使用したテキスト
HSK1・2級と同様に、中国語検定 HSK公認テキスト3級を購入しました。HSK3級用は総ページ数395ページとなり、HSK2級用の総ページ数273ページと比べて、約1.5倍のボリュームです。
また、3級試験から「聞き取り」「読解」に加え、「作文」という試験が追加されます。「作文」といっても、文章を記述させるようなものではなく、
- 複数の語句を並び替えて正しい中国語文を作る
- 文の意味から文中の空所に当てはまる漢字を書く
といった内容です。この試験内容に向けての学習も必要となります。
<中国語検定 HSK公認テキスト3級のポイント>
- 薄すぎず、厚すぎないボリューム
- 直感的にわかりやすそうなイラストが多い
- 「公認」テキストである
- 多くの受験者から支持されているテキスト
併せて、こちらの単語集も購入しました。新HSK3級必ず☆でる単スピードマスターです。
<新HSK3級必ず☆でる単スピードマスターのポイント>
- HSK主催機関が認可している
- HSK3級試験に出題される650語が網羅されている
- 声調の矢印記号やピンインのカタカナルビが記載されているので、発音に不安がある初学者が覚えやすくされている
- 全単語の音声データがダウンロードできるので、隙間時間や移動時間でも学習できる
HSK3級学習の4つのポイント
HSK3級学習のポイントは4つあります。
- 1.HSK3級の出題範囲の中国語単語を覚える
-
HSK3級の出題範囲は、日常生活でもよく使われる単語にプラスして、応用的な単語も含まれますが、できるかぎり覚えましょう。また、同じような発音をする単語が多く出題されるので、文章の前後の文脈からどの単語が使われているのかを判断する必要があります。
HSK3級の出題範囲の単語数は600語となっていて、HSK1級の150語に比べて4倍の単語数になりますが、毎日少しずつ覚えていきましょう。
HSK3級のテキストに出てくる単語を覚えるよりは、通勤・通学などの隙間時間でも学習できるよう、HSK3級の単語集を購入することをおすすめします。
- 2.HSK3級の出題範囲の中国語文法を理解する
-
中国語文法はテキストに沿って学習します。HSK3級で学習するのは、HSK1・2級と比べると、応用的な文法も含まれますが、テキストをベースに学習すれば、HSK3級合格に十分な文法知識を得ることができます。
HSK1・2級と比べて、学習内容のボリュームも一気に増えますので、じっくり時間をかけて、着実に覚えていきましょう。
1回学習しただけでは文法知識を得ることは難しいので、できれば2~3回は繰り返し学習するようにしてください。
- 3.過去問を解いて、理解を定着させる
-
過去問題を解くことは大事です。試験の出題形式に慣れることや、問題を解く時間配分を確認できるからです。少なくとも試験前には1回は過去問題を解いておくことをおすすめします。
テキストを一通り学習したら過去問題を1回解いてみて、まだ実力が足りていない分野を把握することも大事です。
とくに、HSK3級の試験における聞き取り問題は、その問題文の音声が流れるスピードがHSK2級より早くなり、聞き取るのも苦労すると思います。過去問を数多く解くことで、音声スピードに慣れることが重要です。
- 4.「作文問題」は、特別な対策は不要
-
作文問題での出題内容は
①与えられた複数の語句を並び替えて正しい中国語文を作る
②文の意味を理解して、文中の空所に当てはまる漢字を書く
となっていますが、どちらも単語と文法を学習することで解答できると思います。「②文の意味を理解して、文中の空所に当てはまる漢字を書く」に関しては、問題文にピンイン(発音記号)が書かれているので、前後の文章からどの単語を当てはめればいいかを推測することになります。
学習方法はHSK1・2級と同じでテキストをベースにした学習です。すでにHSK2級に合格している方なら、HSK3級の合格レベルに達するのも難しくはないでしょう。
コメント